和菓子用語の解説 
[あ]
朝生 朝生とはその日に売ることを目的として朝から作り始める菓子で,餅菓子や団子,葛菓子などです。練りきりや羊羹,求肥などの上生菓子に対する言葉です。比較的安値で,家庭で日常的に食べられるものが多い。
アミロ−ス  澱粉でブドウ糖が直鎖状に結合しています。アミロペクチンと共に澱粉の成分で天然澱粉は両者の混合物です。天然澱粉中には20〜35%含まれますが、もち米にはほとんど含まれていません。
アミロペクチン  澱粉でブドウ糖の直鎖から分枝しているものです。もち米の澱粉はアミノペクチンのみでこれに対して、うるち米はアミノペクチンが約80%アミロ−スが20%です。もち米とうるち米の性質が異なる要因になっています。
有平糖 有平糖は,ポルトガル語のALFELOA(砂糖)が訛ったもので,南蛮菓子の一つです。"阿留平糖"などと当て字されています。江戸時代中期になって砂糖が広く出回るようになりますと,色や形に美しい意匠を凝らした四季の細工菓子として,珍重されるようになります。生地作りは,砂糖と水,水飴の配合や煮詰める加減が難しく,気候や用途によっても変わるため,単純ながら細やかな気配りの要るお菓子です。茶席では噛む音のせぬよう,糖化した有平糖が好まれ,店売りや工芸菓子の場合は,光沢のある方が求められるとのことです。何れの場合もニチャついてダレたてしまえば商品価値はありません。細工をする場合の温め具合や生地を引く手加減も仕上がりを左右します。
αー化 (アルファー化)  澱粉に水を加え加熱すると糊化します。これをα化といいます。ウエファースはα化度が高い食品です。
あんばい(按配)塩梅とも書き、味や加工、配合等の加減や、出来具合等総合的なバランスを指します。
外郎 外郎は元来,頭痛を取り口中を爽やかにする薬としての名前でした。中国の元の国が滅亡したとき,元の大医院礼部員外郎職にあった陳宗敬が博多に亡命し,外郎延祐と名乗ってこの薬を創製した,と伝えられています。歌舞伎十八番で知られる「外郎売り」も,この薬売りのことです。これが大層苦いので,禁裏へ献上の際,口直しとして添えたのが,黒砂糖と米粉で作った菓子"ういろう"です。その後外郎氏は小田原に移り,薬と菓子双方を商って発展します。外郎菓子の製法は諸国に伝えられ,今ではお菓子の名前のみが知られることとなりました。上用粉,糯粉に砂糖を加えて蒸した外郎は,あっさりと滑らかな持ち味で,春から夏の上菓子に多く使われるものです。
イスハタ  膨張剤の一種、炭酸アンモニュウムをベースに、澱粉と重曹を混ぜて作られます。
異性化糖 澱粉を糖化して出来る果糖系甘味料。澱粉から出来たブドウ糖に異性化酵素を作用させたブドウ糖と果糖をもった糖です。甘味が強い。水分活性を低くし湿潤作用があります。
浮き粉 小麦でんぷんを精製した粉状のものを浮き粉、または本浮き粉といいます。また甘藷でんぷんで代用したものも浮き粉として市場に出ていることもあります。まんじゅうの皮やギョーザの皮、卵焼きやたこ焼きをふっくらと仕上げる増量剤として使われます。
打物 打物は寒梅粉又はみじん粉に砂糖を加えてしっとりとさせ,木型で型打ちした干菓子です。「落雁ラクガン」は打物の代表的なもので,江戸時代後期には鶴亀,鯛,海老,松竹梅に三番叟サンバンソウや猩々ショウジョウなど,大型で華麗な色使いの落雁が,慶事や仏事の引出物としてもて囃されました。現在は四季の景物を写す小さな干菓子として,茶席で喜ばれています。打物は打ち出し,押物は型押しと製法の僅かな違いで区別しますが,共に糯米を原料とする点,同一と見ることも出来ます。ともあれ穀類の風味がよく感じられ,上品な甘味と口溶けの良いこと,型崩れしないしっかりした成形が大切な点です。
押物 押物は干菓子の一種で,糯米に砂糖,みじん粉を混ぜ,木型に押し固めたものです。→ 打物
ジング 熟成の事をいいます。温、湿度を管理しながら保管する事です。チョコレートはテンパリングして安定したβ型の結晶をつくりますが、100%安定結晶を作ったわけではなく、エージングによって、さらに多くの安定結晶を作ります。  
塩化アンモニウム  通常、塩安・塩化アンモニウとも呼ばれています。膨張剤の一種で、炭酸水素ナトリウム(重曹)と併用して用いられる事が多いようです。  
主菓子 主菓子とは,茶の湯において主に供されるような上品な生菓子で,きんとんなど季節感漂う意匠のものが多いお菓子です。
お題菓子 お題菓子とは,その年の勅題(歌会始のお題)に因んだ意匠を考案して,各店において作られる正月の創作菓子です。お題の持つ詩的世界をお菓子に表現する感覚,姿や味の良さ,など伎倆の程が試される,年に一度の機会でもあります。
[か]
かしわ餅粉 5月5日端午の節句用として、消費者向けに季節的に作ります。メーカーによっては中身が上新粉のままのものもあれば、上新粉に片栗粉などのでんぷんを入れたものや、もち粉を混ぜたものもあります。でんぷんを少し混ぜるのは、おだんごにした時に、歯切れが良くなり柏の葉にくっつきにくくなる為です。
片栗粉 馬鈴薯でんぷん じゃがいもからとったでんぷん。現在、片栗粉とよばれているものは、ほとんどが馬鈴薯でんぷんです。また、ほとんどは北海道で製造されています。やはり、食用工業用原料として、ちくわ・かまぼこなど水産ねり製品や水あめなどに利用される他、家庭用では、あんかけやつなぎなどに消費されます。
鹿の子 鹿の子とは求肥を小さく纏めて餡で包んでから,蜜に浸けた豆をまぶしたお菓子で,鹿の子絞りに似ているのが名前の由来です。
カラギナン ゼリ−等を作るゲル化剤の一種で糖質系で海藻(スギノリ)から採れます。カラギ−ナンにはその性質の違ったものが3類あり、ミネラルや蛋白質によってゲル化し、離、保水性、耐冷凍性に優れます。   
かるかん粉 うるち米を水洗いし、水切り、半乾燥させたものを粉砕し、粒子を荒く仕上げたものです。鹿児島名産の「軽かんまんじゅう」の原料として使われます。
還元糖 糖類には還元糖と非還元糖があります。還元基(アルデヒド基、ケトン基)を持つ糖をいいます。主な還元糖はブドウ糖、麦芽糖、果糖、乳糖、キシロ−ス、ガラクト−ス等です。  
寒梅粉 打物菓子や押物と呼ぶ京菓子の大半は,寒梅粉が主原料です。搗ツいた餅を極薄く延ばして鉄板で焼き,それを挽いて粉末にしたものがみじん粉です。寒梅粉は,みじん粉を更に篩(フルイ)に掛けた上みじん粉を云います。舌触りの良さと香りを求めて新米が用いられますが,新米を粉に挽く時期が,寒中の梅の咲く頃なので,この名が付いたと云われます。
甘味度 甘味物質の甘さを表すもので、砂糖を100としてそれぞれの甘味物質の甘さを比較した値です。乳糖15〜25、ブドウ糖75、果糖175、麦芽糖32等。  
生砂糖 砂糖に寒梅粉を混ぜ,捏ね合わせた生地を着色し,型抜きで成形します。四季の干菓子の中心であり,華麗な工芸菓子の主材料として使われます。パリンと軽い薄さにも,ふっくらと弾力のあるしっとり感も,どちらも自在に作り出すことが出来,華やぎを添えるのに欠かせぬお菓子です。関東では雲平と称されるものです。
きな粉・青きな粉 大豆を煎って粉末にしたものです。粗砕きした段階で皮を除き、更に粉砕しますが、皮を除かないものもあります。普通、黄大豆を用い黄褐色を呈しますが、青大豆を用いたものは「青きな粉」「うぐいすきな粉」と言い、淡緑色で香りも多少違います。和菓子の製菓原料に用いるほか、餅につけてあべかわ餅にしたりします。でんぷん・たんぱく質・脂肪を含む栄養豊富な食品です。大豆のたんぱく質は良質ですが消化が悪いため、加工によってその欠点を補いますが、きな粉のように粉にしたものは炊豆・煮豆などに比べてかなり消化がよいと言われています。
黄味餡 黄味餡は,白餡に硬茹での卵黄を裏漉し又は生の卵黄を混ぜ,火に架けて練ったものです。
求肥 求肥は餅の一種で,白玉粉や糯粉を水で溶いて捏ね,蒸篭セイロで蒸した後,砂糖や水飴を入れて練った軟らかな生地です。唐から渡来し,牛のなめし皮のように滑らかなことから「牛皮」と書かれていましたが,その文字を忌み,わが国においては求肥と改められました。元来は中国において祭祀の際に用いた食物「牛脾」があり,それに似せて作られた餅菓子であったと云います。
きんとん きんとんは餡玉を芯にして,着色した餡を裏漉しにして栗の毬イガのように付けた生菓子です。中に砂糖や飴を入れた「こんとん」と呼ぶ菓子が原型であるとされています。栗きんとんは,栗と小豆を混合したそぼろ餡を付けたものを云い,栗を潰し砂糖を加えて茶巾絞りにした生菓子は,京都では「茶巾」と呼んで区別します。
葛粉 葛粉は葛の根から得られる澱粉で,各種澱粉の中でも良質とされ,上等な菓子の原料として用いられます。葛饅頭,葛粽チマキ,葛桜などが知られています。室町時代に南朝の官臣が,吉野のクズの根から最初に作ったとされる「吉野葛」が名高い。
桂皮抹 セイロン産のシナモンの木の樹皮を粉末にしたものです。菓子に特徴付けのため古来より欧州で使われてきた香辛料。ドーナッツ、ホットケーキ、京都の八ツ橋が有名です。
氷餅(干餅) 氷餅は餅を一度凍結してから乾燥させたもので,フレーク状にしたものは飾りに使うほか,純白で氷のような質感があるので,冬の和菓子に多用されます。
漉し餡 漉し餡は,小豆を茹でて潰し,皮を除いたものを漉してから,水気を絞り砂糖を加えて練り上げて作ります。
こなし "こなし"とは,漉し餡と小麦粉,又は薯蕷ジョウヨ粉を加えて強い蒸気で蒸し,砂糖を加えながら揉み込んだものです。その生地を薄蜜などで硬さを調整しながら着色し,包みものや巻上げ,型抜き,棹ものなど,様々な上菓子に作り上げます。応用範囲も広い,京菓子独自の素材です。"熟コナす"と云う言葉には「砕いて軟らかくする」の他に「思うままに扱う」という意味があり,このこなし菓子も「上手くこなせて一人前」と云われるように思うままに形作るには,熟練を要するお菓子です。
琥珀羹 琥珀羹とは寒天に砂糖,飴を加えて煮詰め,流し箱に入れて冷やし固めた棹ものです。吉野葛や卵白,道明寺粉などを加えて変化を付けたものも多く見られます。喉越しよく涼やかで,夏菓子として欠かせません。
コーンスターチ とうもろこしの種子からとったでんぷんをコーンスターチといい、もちとうもろこしのそれは、ワキシースターチといいます。種子を亜硫酸水に浸し、粉砕して胚芽を分離したものを粉砕し、沈殿させたでんぷんを脱水・乾燥して製品にします。でんぷん類の中でも純度が高く、純白で無臭であり、粒子も細かい粉です。従って食品工業用原料として幅広く使われています。家庭用では、片栗粉などと同じ用途で使われる事が多いようです。
[さ]
棹もの 棹ものとは,羊羹や琥珀羹,外郎などの,細長く棒状に固めた菓子の総称で,流し物とも云います。
三温糖 特有の風味を持つ黄褐色の砂糖です。中白糖よりさらに転化糖と灰分を多く含みます。その風味を生かしたい饅頭生地などに使われます。結晶棟を三回通るので、三温糖と呼ばれます。
しゃる 砂糖の結晶が生じることで、羊羹や餡類の表面が糖化してしまうことを指します 。羊羹を練りすぎたり、餡類に砂糖を入れすぎた時などにこうなる場合があります。
重 曹  炭酸ソーダーの略。炭酸水素ナトリウムの別称。*炭酸水素ナトリウムを参照。
上新粉 うるち米を精白し、水に漬けて粉砕し、乾燥して作ります。もち米が入らないので、粘りやまろやかさよりも歯ごたえの強さを活かしたおだんごに向きます。家庭では、みたらしだんごや柏餅に最適であるが業務用としては各種和菓子原材料として需要があり、米穀粉の中では最も多く生産されています。
上生 上生とは,上等な生菓子のことで,関西地方では上菓子,京都では京菓子とも云います。練りきりや羊羹,薯蕷饅頭,求肥などを指し,日持ちしませんので,大抵は作りたてを食べることを基本とします。
薯蕷 薯蕷とは,つくね芋や大和芋の名で呼ばれる,粘りの強い山芋のことで,摺り卸して饅頭皮や餡の繋ぎに用いられます。薯蕷饅頭を,当て字を使って上用饅頭と書くこともあります。
上用粉 粳米を乾燥させて粉にしたものを上新粉と呼び,しんこや団子,餅菓子に用いますが,これをより細かくしたのが上用粉です。
白玉粉 寒ざらし粉とも呼ばれ、もち白米を原料とします。昔は冬の寒さがきびしいころに、清潔な流水の得られるところで製造していましたが、現在は一年中製造されています。もち米を精白し、水に漬けて柔らかくし、水ごとすりつぶします。その白い液を圧縮脱水し、大きなかたまりにします。それを細かくけずり乾燥してつくらます。良質なものは、乾燥が完全で、白色で光沢があり、粉質が微細です。ゆであげてフワッとした柔らかさと弾力があり、冷やしても固くならない品が、良品とされています。おもちとは別なまろやかな風味があり、白玉だんごやぎゅうひとして高級菓子材料になります。                  
白餡 白餡とは,軟らかく煮た白小豆や白隠元で練り上げた餡で,そのまま,又は着色して黄味餡や味噌餡の基ベースとしたり,きんとんなどに多用します。
しんこ しんことは,上新粉を水で捏ねて蒸すか茹で,臼で搗いた餅で,棒状にして捻った形が多く,唐菓子の中の索餅サクヘイが原型と云われます。街道や門前の名物菓子として各地に見られますが,祭や縁日には,しんこの細工菓子が人気を博しました。
新引粉 道明寺粉をさらに細かく砕いたものを、色がつかない程度に煎ったものをいいます。
州浜 州浜の原料は大豆と青豆で,炒った大豆を粉にしたものが州浜粉となりますが,黄粉キナコよりも炒りが浅い独特の精製によるものです。州浜は州浜粉に砂糖と飴を加えて練り,よく捏ねて,半割の青竹3本を使って固めた菓子です。切り口が有職州浜台に似ているため,この名が生まれ,目出度い菓子として評判を得ました。
ソルビト 糖アルコ−ルの一つで保湿性を目的に使用します。食品添加物で少し甘味がありますが、砂糖の甘味とは違って後味があまり良くありません。  
[た]
大徳寺納豆 大徳寺納豆は口中を爽やかにさせるとして,禅宗と共に大陸から伝えられた食品です。京都大徳寺において多く作られていたためこの名で知られます。発酵させた大豆を塩水に漬け,天火干ししした,乾燥納豆のような姿で,辛味噌を凝縮したような独特の風味を持ちます。
丹波糸寒天 寒天とは,寒晒しの心太トコロテンの略称です。心太を寒中の冷気に晒して凍らせ,乾燥させますと,軽く白い,保存の効く食料となります。この加工法が生み出されたのは江戸時代万治マンジ年間(1658〜61)と云われ,寒天を用いることによって和菓子の製法は格段の発達を遂げました。昼夜の寒暖の差が激しく,風の強い丹波では,この風を利用して細く良質の寒天を作り,丹波糸寒天の名で重用されます。
丹波栗 丹波地方,殊に船井郡和知ワチ辺りは,古代より栗の名産地として名高い。昼夜の寒暖の差の大きさが,実が大きく甘く粘着性の高い良質の栗を育むためで,この地に早くより伝えられた接木の技術と,完熟して自然に落ちた栗だけを拾う収穫法とも相俟って,栗の王者と云われる品質を保っています。
丹波大納言小豆 小豆は餡の原料となり,和菓子の主役として最も需要の多いものです。粒の大きい順に大納言・中納言・少納言と,平安時代の官職名で呼ばれています。丹波大納言は,皮が軟らかいのにハラキリ(皮が破れること)がなく,風味,光沢が良いことで最高級と云われ,上菓子作りには欠かせません。
だんご粉 うるち米・もち米を精白し、水に漬けて粉砕し乾燥してつくります。メーカーによってでんぷんを入れる場合もあります。またうるち米・もち米の配合比率は一定していませんが、うるち米の入った分だけ、白玉粉やもち粉に比べてコシの強いおだんごになります。柔らか過ぎないので、おだんごを作りやすいとも言えます。
炭酸アンモニウム  膨張剤の一種。熱によって、ガスが発生します。食品の中でガスが発生し、生地を膨らませます。食品にガスが残ると不快な臭気になるので、充分熱を加えて気化させる事が必要です。  
炭酸水素ナトリウム 重曹・重炭酸ソーダとも言います。加熱すると炭酸ガスと水が蒸発してナトリウムが残ります。この炭酸ガスと水の作用で生地は膨らみます。膨張力が最も強いので焼き菓子に用いられます。
 丹後の節句に欠かせない粽は,元は笹の葉でなく茅萱の葉で卷いたことからの名です。茅萱は菖蒲と同じく,魔除け・疫病除けの効果があると云われます。
中生 中生は,朝生に対して日持ちのするお菓子です。蒸し菓子や焼き菓子などがあります。
つぶ餡(つぶし餡とも) つぶ餡は,小豆を軟らかく茹でて水に晒し,砂糖と水で作った砂糖蜜に加え,煮詰めては小豆を戻し,を繰り返して,最後に練り上げたものです。小豆の皮を付けたままなので,豆特有の風味が生きています。
デキストリン 澱粉より分子量の小さい多糖類で、澱粉を希酸や酵素によって加水分解する時の中間生成物です。水に溶けて強い粘着性を示します。  
転化糖  砂糖をブドウ糖と果糖に等量分解したものをいいます。キャンデ−の結晶化防止菓子の色付け(キツネ色)、製品の乾き防止、甘味のコク、に用いられます。  
糖芸菓子 工芸菓子 糖芸菓子とは,生砂糖を中心に,本物と違わぬ姿を菓子によって表現した飾り菓子です。平安時代からの伝統の技が受け継がれ,京菓子技術の最高峰とも云われます。
道明寺粉 道明寺は,蒸した糯米を乾燥させた干し飯で,河内の道明寺において1000年余り昔から作られていた名物です。保存食や軍の携帯食として重用されたものですが,近世に至りこれを荒挽き粉として,和菓子の原料に用いられるようになりました。関西風の桜餅や椿餅などに用いられます。
[な]
中餡 中餡とは,饅頭や焼き菓子などの中に入れる餡のことです。練りきりの中に入れる餡は,中綿と云うこともあります。
並餡 煮上げた豆を漉して皮を除いて絞った,砂糖を加える前の状態を生餡と云い,生餡の6割の砂糖を加えたものを並餡と云います。
ねき 水飴のこと、粘るところから出た言葉です。
練りきり 練りきりとは,白餡に求肥,水飴を加えて練り上げたものです。様々な形に作ったり,着色が自在なことから種類も多いが,細やかな細工を施すため,1個ずつ手作りされます。茶席での主菓子の代表格で,関西地方では「こなし」とも云います。
[は]
はったい粉(麦こがし)原料は関東では大麦、関西以西では裸麦を使います。また地方によってはトウモロコシやキビなどを原料とするところもあります。いずれも原料を煎ってこがし粉にしたものです。砂糖を混ぜてそのまま食べ、また湯で練って食べることもあります。麦落雁などの菓子の材料にもなり、関東では群馬県館林の名物となっています。関西では、はったい粉と呼びますが、こがし・いりむぎ。むがいりこ・麦こうせん・おちらしなどの別名もあります。かつては、暑気払いの飲み物や素朴な茶菓子・間食として人気がありました。
半生菓子 半生菓子とは,表面は乾いていて,中は生で軟らかい菓子の総称で,茶席で出される小さな打物や石衣,錦玉羹などがこの仲間です。
干菓子 干菓子とは水分が少なく日持ちの良いお菓子のことで,有平糖,金平糖,生砂糖,煎餅,打物,落雁,塩釜,おこしなどがあります。
火取る 餡類を硬く練ることをいいます。
備中白小豆 備中白小豆は白餡の原料となる白小豆の最高級品で,岡山県南西部で栽培されますが,収穫量が少なく,高価なため白隠元(シロインゲン)で代用する場合もあります。
フォンダン  砂糖に水飴を少し入れて116〜118に煮詰め、冷やして練ると砂糖の微細な結晶になります。真っ白いクリ−ム状になったものをいいます。甘い欠点がありますが、 チョコレ−トのセンタ−(玉チョコレ−ト)やキヤラメルのソフト化と耐久性の目的で主に使用されます。 和菓子用語では、すり密といいます。   
ブドウ糖  澱粉や砂糖を分解すると得られる糖で、砂糖とは異なった爽快甘味があります。 酸分解水飴に多く存在します。精製ブドウ糖、結晶ブドウ糖(含水、無水)があります。
本葛粉 葛の根からとったでんぷん。でんぷんの中では、最も良質とされていて、奈良県の吉野葛、福岡県のに筑前葛などのように産地名をつけて売られる事が多いようです。ただ、「葛粉」という名前の商品でも、中身が葛ではないものも多く出まわっており、まぎらわしいのが現状です。本葛は、コストも高いが高級和菓子原料や漢方薬として人気があります。
[ま]
饅頭 饅頭は小麦粉を捏ねて蒸篭セイロで蒸かす,蒸菓子の中の王者です。語源は中国の饅頭(マントウ)で,わが国には鎌倉時代に宋より伝来し,漢音の「頭トウ」を宋音に従って「頭ジュウ」と呼び習わして来ました。当初は小麦粉のみの蒸饅頭に香辛料を加えた垂味噌タレミソの汁を付けて食べるほか,野菜や小豆餡を皮で包む場合も,塩味餡が一般的なものでした。
 室町時代の『七十一番職人歌合』には,饅頭売りが多く登場しますが,その中に「砂糖饅頭,菜饅頭,いずれもよくむして候」と記され,砂糖饅頭も既にあったことを示しています。なお,中国ではマントウは餡なしの皮だけものもを云い,餡を包んだものはパオツ(包子)と云います。
みじん粉寒梅粉 または、もち米を炒って膨張させ、粉にしたものをいいます。もち米を水洗い、水浸したのち蒸してつき、餅とします。それを薄く伸ばして煎餅状にして白焼きしたのちに粉砕したものです。さらにふるいに通した細かいものを寒梅粉と呼びます。
味噌餡 味噌餡とは,白餡に砂糖と主に京都の白味噌を加えて練り上げたもので,柏餅や花びら餅の中餡として用いられます。
餅菓子 餅菓子とは,餅を原料にした和菓子の総称です。糯モチ粉,白玉粉,道明寺粉を使った大福餅,おはぎ,椿餅のほか,白玉粉を使った求肥,鴬餅,道明寺粉を使った関西風の桜餅など,またほかに上新粉を使った草餅,柏餅,みたらし団子などもあります。日持ちしませんので,朝生(前掲)として扱われます。
もち粉 もち米を精白し、水に漬けて粉砕し、乾燥して作ります。メーカーによってうるち米、でんぷんを入れる場合もあります。白玉粉と同じく、歯ごたえがまろやかで粘りの強いおだんごになりますが、白玉粉より製造工程が少なく、低コストなので、和菓子原材料として業務用を中心に根強い需要があります。
もちとり粉 手粉ともいい、もちつきの時、もちが手や板につかない為に使用します。通常は上新粉、片栗粉(馬鈴薯澱粉)、あるいはコーンスターチなどを利用します。

最中 最中の語源は,中秋の名月を「最中の月」とも呼び,この月に似ていたことから来ました。初期の最中は丸く焼いた生地に砂糖掛けをしたものでしたが次第に皮2枚で餡を挟むようになりました。
桃山 桃山は,白餡に卵黄,寒梅粉,水飴を加えてよく練った種タネに,更に水飴,卵黄を入れて更によく捏ねて生地を作り,その生地を型打ちして,天板で焼いたお菓子です。艶やかな照りを持つのは,焼き上がった菓子が熱いうちに,味醂を刷毛で塗って仕上げるためです。
[や]
羊羹 羊羹と云う中国語は,本来羊の肉入りの羹アツモノ(スープ)を示すものでした。また別に,羊の肝によく似た砕米と黒砂糖を練った餅菓子があり,羊肝餅ヨウカンモチと呼んでいました。菓子としての羊羹は,この二つの語が,混同して使用されたものと云われています。わが国へは室町時代に禅僧が点心として伝え,羊を使った料理に似せた精進料理の汁物(「羊羹」)と共に,砂糖羊羹の名も記録に見えます。菓子としての羊羹が作られるようになった当初は,全て蒸羊羹で,今日のように煉羊羹が主流となるのは,江戸時代前期に寒天の製法が発明され,普及してからのことです。羊羹は蒸羊羹と練羊羹に大別されます。
吉野葛 葛の根から採る良質の澱粉デンプン「葛粉」は,上菓子の原料として粽チマキや葛饅頭,葛焼クズヤキなどに用いられます。奈良県葛城山の麓は,古来葛の産地として名高く,寒晒しした雪のように白く滑らかな本葛が,京菓子屋へと納められます。
寄せもの 寄せものとは寒天やゼラチンを溶かした液で果物や豆類を寄せて集めて固めたものです。
[ら]
落雁 落雁は打物の一種で,穀類を主原料としたもの,また打物や押物を総称して呼ぶ場合もあります。大陸渡来の押し菓子が原型で,その白い押物に黒胡麻を振った様が,中国の瀟湘八景の一つ「平沙落雁」を想わせるので,落雁の字が当てられたものと云います。
[わ]
和三盆 白砂糖のうちで純白最上等の品を三盆白と呼び,これらは中国より舶載されました。江戸時代に至って砂糖の輸入が急増しますと,国内での製糖の風が高まり,文化文政頃には国産品が次第に輸入品を凌ぐようになったため,輸入の三盆糖を唐三盆,国内産を和三盆と呼びました。香川や徳島を主産地とし,やや黄味がかった色調と,口溶けの良い上品な甘さが特色です。
わらびもち粉 さつまいもからとった澱粉です。鹿児島、宮崎など九州が主産地です。我国で最も多く生産されるでんぷんですが、その多くが食品工業用原料として、水あめ・ブドウ糖・のり・食用加工品・飼料・アルコールの原料に使われます。わらび餅は、主に西日本で、夏には欠かせないおやつの一つとなっています。
わらび粉 「蕨」の根から採取される澱粉です。葛よりも粘り気が強い。わらび餅の原料となります。